ガラスの種類と特長
一般ガラス
フロート板ガラス
- 特長:
- 比較的安価
ゆがみが少なく、平らで滑らかな透明ガラスで、おそらく、みなさんが想像される普通のガラスにあたるガラスです。
住宅の窓や室内の建具、鏡やショーケースなど様々な用途で使用されています。型板ガラス
- 特長:
- プライバシー確保
ガラス成形時に彫刻された型模様を転写したガラスです。
光をやわらかく採り入れ、適度に視線をやわらげることができます。
住宅の窓の中でも浴室や洗面所、トイレなどプライバシーの確保が必要な場所でよく使用されます。すり板ガラス
- 特長:
- プライバシー確保
透明なガラスの表面を金剛砂と金属ブラシで摺ってつやを消し不透明に加工したガラスです。
視線を遮り柔らかい光を均一に採り入れることができますが、水に濡れて馴染むと透けて見えてしまうため、浴室などでの使用には向いていません。網入り板ガラス
- 特長:
- 防火
- 飛散防止
製造時に金網を入れたいたガラスです。
金網がガラスの割れた後も破片の落下を防ぐため飛散しにくく、割れたガラスに隙間もできにくいため、火災時の火炎の侵入を抑える防火ガラスとして使用されます。
防火地域など、法規上定められた箇所には防火ガラス使用が義務付けられています。
機能ガラス
機能ガラスとは、断熱や防犯・防音など特殊な機能を持ったガラスです。
機能ガラスはその機能・構造の問題で、一度作られたガラスを切断することができません。
そのため、必ず詳細な採寸と工場での生産が必要となります。
複層ガラス(ペアガラス)
- 特長:
- 断熱
- 結露対策
2枚のガラスの間に乾燥剤入りのスペーサーを挟み込み、1つのガラスにガラス層、空気層という複数の層を持たせたガラスで、ペアガラスと呼ばれることもあります。
スペーサーによって作られたガラスとガラスの間の中空層には、乾燥した空気やガスが封入され、外気と室内の温度差を伝えにくくします【断熱】。また、外気の影響を受けづらいため、結露を軽減する効果もあります。
さらに、使用するガラスの組み合わせによって、プライバシー確保や防犯などの効果も持たせることが可能です。
経年劣化により、ガラスの内部(中空層)に結露するようになることがあります。その場合はガラスの寿命となりますので、ガラスの取り替えが必要です。Low-E 複層ガラス
- 特長:
- 断熱
- 遮熱
- 結露対策
複層ガラスのガラス内側にLow-E膜といわれる金属膜をコーティングしたガラスです。
この金属膜を室外側のガラスへコーティングするのか、室内側にコーティングするのかによって2つのタイプがあります。
室外のガラスにコーティングした場合は日差しを防ぐ【遮熱タイプ】となり、夏の暑さ対策向けとなります。室内側にコーティングした場合は、日差しをある程度取り込み室内の温度を外に伝えにくくする【断熱タイプ】となり、冬の寒さが厳しい地域向けとなります。強化ガラス
- 特長:
- 耐圧
- 安全
フロート板ガラスを加熱して後、急速に冷却することで表面に圧縮層を持たせたガラスです。見た目はフロート板ガラスと見分けがつきませんが、風圧や水圧など圧力に対して3〜5倍の強度を持っています。
万が一割れた場合には、鋭利な刃物のように割れる通常のガラスと違い、ガラスの全面が小さな粒状に割れるため、大きな怪我をする心配が少く、学校や自動車、インテリアや家具に多く使われています。
デメリットとして、簡単に粉々になってしまうので防犯効果はまったくありません。防耐火ガラス
- 特長:
- 防火
- 耐火
- 耐圧
- 安全
板ガラスに特殊な加工と超強化処理を加えた耐熱ガラスです。
その強度はフロート板ガラスの6倍以上、強化ガラスの2倍以上となっていて、防火ガラスとして永く使われている網入り板ガラスのように視界を遮るものがなく、開放感を感じられるのが特長です。
強化ガラスと同じく、万が一割れた場合も全面が小さな粒状に割れ、大きな怪我につながる心配がありません。合わせガラス(防犯・防災)
- 特長:
- 防犯
- 防災
- UVカット
- 安全
合わせガラスとは、ガラスとガラスを樹脂の膜で接着し1枚のガラスにしたもので、膜によって接着されているためガラスが割れてもほとんど飛散がなく、突き破ることも困難です。
どのような樹脂膜を使って接着するかによって、様々な効果を持たせることができ、厚みが厚く強靭な膜やポリカーボネートを挟み込んで接着したガラスが「防犯ガラス」と呼ばれます。
また、合わせガラスの中でも中間膜の厚みが約1.5mmを超えるものが「防災安全合わせガラス」と呼ばれ、台風や地震などの災害時でも高い安全性を発揮します。
他にも、防音の効果を強化した合わせガラスもあり、さらに合わせガラス全般は中間膜によって99%以上という高い紫外線カット率も誇ります。真空ガラス
- 特長:
- 断熱
- 結露対策
2枚のガラスの間に、0.2mmの真空の層を持たせて一体にしたものが真空ガラスです。
真空は、魔法びんにも使われているように熱を伝えないため、高い断熱性能を誇ります。
また、複層ガラス(ペアガラス)と比べても同等以上の性能を持っており、厚みが薄いため複層ガラスが入らない1枚ガラス用の窓にも入れ替えができるのも大きなメリットとなります。関連する記事